支笏湖について

支笏湖について

およそ4万年前に支笏火山の噴火でできた陥没地に水が溜まって形成されたカルデラ湖です。

支笏湖の基本情報

支笏洞爺国立公園に属するカルデラ湖で、長径13㎞、短径5㎞のほぼ東西に長い”ひょうたん型”をしており、周囲約40㎞、最大水深約360m、平均水深約265mの美しい湖です。秋田県の田沢湖に次ぐ日本で2番目の水深を誇り、下の表からもわかる通り、湖底は海面より約115mも下に位置しているということになります。
水温は年間を通して非常に低く、その深さゆえ厳冬期にも凍ることはまれで、日本最北の不凍湖としても知られています。周辺は深い原生林に囲まれ、静けさのなか四季折々の美しい景観を見せてくれます。

面積
78.4 km2
最大水深
360.1 m
貯水量
20.9 km3
成因
カルデラ湖
湖沼型
極貧栄養湖【※】
周囲長
40.3 km
平均水深
265.4 m
水面の標高
248m
淡水・汽水
淡水
透明度
14~20 m

【※】極貧栄養湖(Extreme oligotrophic)とは?
上記の貧栄養湖基準を大きく下回る湖を、特に極貧栄養湖と呼ぶことがある。OECDの基準では、リン濃度が 4.0mg/m3以下、クロロフィルa濃度が平均1.0mg/m3以下、最高値が2.5mg/m3以下、透明度が平均12m以上、 最低値が6.0m以上に該当する湖を指す。日本では、摩周湖や倶多楽湖、本栖湖などが該当する。

自然環境を守りたい場所

現在の支笏湖は、約4万6千年前の支笏火山の大爆発によって出来たカルデラに約2万年をかけて水が溜まったとされています。そして支笏火山の噴火がおさまり1万年以上経過したころに風不死岳、次に恵庭岳、そして樽前山の誕生により現在の湖が形づくられました。
現在支笏湖に生息する魚類は14種類前後と言われていますが、在来種はアメマスとハナカジカだけで、そのほかは人為的に放流された魚です。
それは約2万年をかけてカルデラに溜まった水はやがて溢れ出し千歳川となりましたが、水に侵食されやすい地層のため短期間に下流にいくつもの滝を形成しました。そのため滝の形成前に遡上できたのがアメマスとハナカジカだけだったと言われています。1949(昭和24)年5月に、支笏湖・定山渓地域、洞爺湖・登別地域、羊蹄山地域とともに国立公園の指定を受け、現在では札幌から車で約1時間、新千歳空港から約40分という恵まれた立地条件にありながら、閑静な水辺空間を維持し、多くの方々に観光利用されています。また、支笏湖周辺は多くが森林で覆われ、広葉樹林、針葉樹林、その混交林や多様な高山植物が見られます。

Weather / water level / environment

気象について

支笏湖は、太平洋と日本海の気象の影響を受ける分岐点に位置しています。夏季の最高気温は30℃程度、年間の平均気温は 6℃程度で、これは長野県の軽井沢とほぼ同じ、内陸型の冷涼な気候です。また、梅雨や台風の影響も少なく、年間降水量は 800~1,200mm 程度で、降雪量も 道内では少ない地域といえます。

こちらをご覧下さい

水位について

支笏湖の水位は降水に伴うオコタンペ川や美笛川などの周辺河川からの流入量と千歳川への増減によって変動しています。支笏湖の水は周辺地域において様々に利用されており、特に王子製紙(株)苫小牧工場が千歳川に建設した5箇所の水力発電所で作られた電気は、王子製紙だけでなく支笏湖温泉地区の電力も賄われています。水位に影響がある放水量は下流の市町村の洪水等に影響があるため、上流域は北海道が下流域を国土交通省が河川管理者として適正管理がなされています。

環境について

支笏湖は環境省の「公共用水域水質測定」において、これまでに11年連続で水質日本一に認定されています。また、支笏洞爺国立公園に属するカルデラ湖で、長径13km、短径5kmの東西に長いマユ型をしており、周囲は約40km、最大深度約360m、平均水深約265mの湖です。
国内では、秋田県の田沢湖に次いで2番目の深度を誇り、日本最北の不凍湖としても知られており、周辺には、オコタンペ湖や苔の洞門、標高千メートルを越す風不死岳、恵庭岳、樽前山など美しい自然が残されています。また、湖畔の支笏湖温泉、幌美内の丸駒温泉のほか、キャンプ、カヌー、ダイビング、遊覧船、ボート遊びなどが楽しめます。